世界的大企業が誇る思考整理術
考えていることをまとめて結論を導き出すことは、簡単なようで非常に難しい技術を伴います。
きちんとした思考整理術が身についていなければ、思いついたことを全く整理できないままの状態になるため、せっかくの良いアイデアも台無しになってしまうこともよくあるものです。
思考整理が苦手な方にぜひ試していただきたいのが本書で紹介されているトヨタの思考整理術なのです。
トヨタといえば言わずと知れた日本が世界に誇る自動車メーカーです。
優秀な社員がたくさん在籍しているトヨタでは、社員が習慣として実践している思考整理術として紙1枚に必要な情報をまとめることです。
企画会議で提案書を作成する際などあらゆる場面で情報をA3やA4の紙1枚だけにまとめておきます。
簡潔に情報をまとめることでスムーズに伝えたい情報が伝わるようになり、良い結果を導き出すことができるのです。
このトヨタで学んだ紙1枚にまとめる技術を一冊の本にまとめて紹介しているのが本書です。
試行錯誤を重ねながら様々な目的でも活用できるスキルとして体系化して紹介しています。
参考:『トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術 』?”整理”上手 は “伝え”上手?
1枚の紙にまとめるポイント
本書で紹介されているトヨタ独自の思考整理術は紙1枚だけに情報をまとめるものですが、具体的にどのようにまとめているのかという点です。
ただ単に紙に情報を書きなぐっているだけでは当然ながら相手に伝えることはできません。
重要なポイントは、紙1枚という限られたスペースでも、パッと見ただけでも全体像がはっきり理解できるのかという点にあります。
つまり、じっくりと内容を読んで把握するのではなく、パッと見ただけでも内容が把握できるようにまとめることが大切なのです。
そのためにも守らなければいけない3つのポイントが、ひと目でも全体が見える一覧性と、枠があり、それぞれの枠にタイトルが付いていることです。
実はたったこれだけのポイントを守っていれば、トヨタ式の思考整理術が実践できるようになります。
まずは具体的にテーマを決めてから枠を書きこんでからキーワードを埋めて自分の考えていることを書き出すという作業になります。
大切なのが枠を書くということで、枠の中が空欄になっていることでその中を埋めたくなってしまう衝動にかられることが大きなポイントと言えます。
自然と良い考えが思いついてきて整理をしながら書き込むことができるようになっています。
もうひとつ、トヨタで実践されているなぜなぜ分析についても紹介されていますが、なぜ?という疑問を繰り返すよりもどうするのか?どうやって?という問題解決力を身につけることが大切だと気付かされます。
どんなに疑問を繰り返したとしても、解決するための道筋が出てこなければ意味がないのです。
この点についても思考整理術のスキルが役立つと考えられます。