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「『学力』の経済学」の紹介

教育に関する考え方が変わる一冊

親としては子供には良い教育を受けさせたいと考えるのは当然の事だと言えます。
友達がゲームを持っているから自分も欲しいと訴えても、ゲームは悪影響にしかならないから買い与えない。
うちの子は褒めたら褒めるほど伸びるタイプだから、どんな事でも褒めちぎっている。
このような子育てをしている親御さんも多いはずです。

しかし、本当にこれらの教育は正しいと言い切れるのかと考えてみると、教育経済学者の視点からではNO!と言える部分が多いそうです。
これまでに子供の教育について様々な研究を重ねてきた教育経済学者の著者が、教育に対する思い込みを科学的な根拠から解き明かしているのが本書の特徴です。
今までの教育に対する考え方が間違っていたのかもしれないと気付かされることから、ぜひ子育て中の方や今後子育てを経験する予定に若い世代の方に知っていただきたい内容です。

参考:子どもの学力を向上させる為に知っておくこと 学力の経済学

友達にアドバイスをするなら…

教育に対する一般的な考え方としては、子供にゲームをさせると暴力的な性格になって子育てに苦労したり大人になっても大変だ。
子供を育てる際にはとにかく褒めちぎるべき、勉強をやる気にさせるためだからといってご褒美で釣ってはダメ。
世間的にはこのような考え方が当たり前だという風潮がありました。

しかし、教育を経済学的に分析しているプロとして活躍する著者の意見としては、これらの定説とは真逆の教育を提唱しています。
つまりゲームをしたからといって暴力的になるわけではないし、褒めちぎって子育てをするのは良くない、勉強をやる気にさせるためにご褒美で釣ったとしても良いという教育論を展開しています。
これらの考え方は著者が持論を展開しただけではなく、きちんと調査データに基づいて出された結果なのです。
だからこそ納得できる答えとして多いに参考することができます。

心を許している友人に対して子育てについての教育論を展開するのは難しいことかもしれませんが、著者はあえて友人にアドバイスをするなら嘘偽りなく真実を、楽しい時間を過ごせるように精一杯手伝いたいとして本当の結果を伝えたいとしています。
知っておかないと勿体無い結果になるかもしれないので、できるだけ多くの人にも伝わるようにと考えて本を出版した結果、多くの反響を呼びました。

子供の教育には正解がない?

実際に子育て真っ最中という方にとっては、本書に書かれている内容がにわかに信じられない、信じたくないという感想を持つ方も多いはずです。
確かに従来の教育論と比較すると、本当にそうなのかな?と不安を感じそうになるのも事実です。
しかし、子供の教育に関してはその家庭によって考え方が異なるため、何がベストな方法なのかわかりにくい場合もあります。
本書の内容が子供の教育に対する考え方をどう左右するのか楽しみにしたい側面もあります。